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中国語の種類を完全網羅!普通话(標準語)から方言まで徹底解説

中国語にはいろいろ種類があるって聞いたんだけど、ほんと?
何がどう違うのかわかりやすく教えてほしいなぁ〜。

こんな悩みを解決できる記事を書きました。

この記事を書いた人
  • チャイラボ 運営者
  • 中国語学習(独学)歴4年
  • 日本生まれ日本育ちの純ジャパ
  • これまでに話した中国人
    500人以上
Panda

中国本土のみならず、台湾・香港・シンガポール・マレーシアなど、さまざまな地域で話される中国語。

同じ中国語でも、地域によって「発音」「語彙」「文法」「字体」は大きく異なります。

当記事では、中国・台湾・香港に的を絞って、各地域で使われる中国語の種類と特徴字体についてわかりやすくまとめました。

5分程度でサクッと読めますので、ぜひ肩の力を抜いて、気楽に読み進めてみてくださいね。

記事の要点を先読み!

中国語の漢字の種類

①簡体字(主に中国大陸で使用)
②繁体字(主に台湾・香港で使用)

使用人口の多い中国語

①普通話:中国の標準語
②台湾華語:台湾の公用語
③広東語:中国の広東省・香港・マカオで話される言語

中国・台湾・香港で話される言語・字体

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日常的に話される言語その他の言語漢字の字体
中国普通話(標準語)1. 北方語
2. 粤語(広東語)
3. 呉語(上海語・蘇州語)
4. 贛語(南昌語)
5. 湘語(長沙語)
6. 閩語(福建省、台湾)
7. 客家語
簡体字
台湾台湾華語(国语)1. 台湾語
2. 客家語
繁体字
香港広東語(粤語)1.普通话(標準語)
2.英語
繁体字
目次

中国語の漢字の種類【2つの字体】

まずは中国語の2種類の漢字「簡体字」「繁体字」の違いについて学ぼう!

中国語の漢字①:簡体字

簡体字(Simplified Chinese)とは、文字通り、簡略化された漢字のこと。

主に中国本土やシンガポール、マレーシアで用いられている字体です。
(※華僑(中国国籍を持ったまま海外に居住する人)も使用)

いくつか例を見てみましょう。

日本語中国語(簡体字)

日本の漢字と比べて画数が少なく、シンプルな形ですよね。

ちなみに、中国ではもともと「画数の多い漢字」が使われていましたが、1950年代から徐々に「漢字の簡略化」が進められ、今の簡体字になりました

簡略化された理由は、「識字率の向上」と「教育の普及」を図るため

文字を簡単にすれば、もっと多くの人が漢字を読み書きできるようになり、国全体の教育レベルが上がるだろう。そうなれば、中国経済の発展につながるはずだ。

そう考えた中国政府が国をあげて、漢字の簡略化に踏み切ったというわけですね。

中国語の漢字②:繁体字

繁体字(Traditional Chinese)は、複雑で画数の多い伝統的な漢字のこと。

主に台湾・香港・マカオなどで使用されている字体です。

日本語中国語(繁体字)

上記の繁体字を見て、「どこかで見たような気がする…」と思った方いませんか?

実は現代の日本においても、繁体字が使われている場面はいろいろあります。

例えば、日本人の苗字。みなさんのまわりにもきっと「渡邊」という名字の人がいるはず。

この「邊」はまさしく繁体字。他にも乃木坂46の元メンバー「齋藤飛鳥」さんの「齋」も繁体字です。

あとは、新聞名(「讀賣新聞」の「讀賣」)とかにも使われてますね。

では、なぜ日本で繁体字を見かけることがあるのか?理由は簡単で、戦前の日本では「旧字体(繁体字とほぼ同じ)」が適用されていたから

現在の日本の漢字は、1946年以降に普及された新しい字体。

苗字など、昔から受け継がれてきたもの、新聞や神社・お寺のお札など、古い歴史を持つものには、当時の名残が今も残っていますよ。

標準語・台湾華語・広東語の違い

次に、中国・台湾・香港で日常的に話される「①普通話」「②台湾華語」「③広東語」の違いについて見ていこう!

3つの中国語の違いをまとめると下記の通りです。

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使用地域使用人口
普通語(標準語)中国本土・香港・マカオ
海外に居住している華僑・華人
約11億人
台湾華語(国語)台湾約1,500万人
広東語(粤語)広東省・香港・マカオ約8,500万人
華僑・華人とは?
  • 華僑:中国国籍を持ったまま、海外に居住している人
  • 華人:海外に住んでおり、その国の国籍を取得している人

1つずつ特徴をお伝えしますね。

標準語(普通話

普通話は、中国の標準語と呼ばれるもので、中国本土で最も広く使われている言語です。

中国語では「プートンファ」、英語では「Mandarin(マンダリン)」と呼ばれていますよ。

「普通話」を母語とする話者は約9億人と、2位のスペイン語(約4.7億人)に大差をつけてぶっちぎりの一位。

全世界の使用人口においても、英語に次ぐ2位(約11億人)と、とんでもない話者人口を抱える言語です。

【補足】普通話が作られた背景

補足として、普通話の成り立ちについて軽く触れておきます。
(興味がない方は先に進んでください)

中国はモンゴル族・チベット族・ウイグル族などのさまざまな民族が暮らす「多民族国家」のため、それぞれ固有の言語を持っています。

さらには、総人口の92%を占める漢民族が用いる言語(漢語)にも無数の方言が存在。

これでは、たとえ同じ中国人同士であっても、コミュニケーションに障壁が生じてしまいます。

そこで「固有の言語・方言の壁」を打ち破るために「普通話」が作られたというわけです。

台湾華語(国語)

台湾華語(国語 [グォユー])は、台湾で一般的に話されている言語(台湾の公用語)です。

これだけ聞くと「普通話」とは全く異なる言語のように思えますが、中身はほぼ同じ。

ただ、「アメリカ英語」と「イギリス英語」のように、発音や言い方は微妙に違います。

発音の違い

  • 「普通話」:しっかりと舌を反りあげて発音
  • 「台湾華語」:あまり舌を反らずに発音

言い方の違い

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中国語台湾華語
ヨーグルト酸奶優格(ヨウグァ)
パイナップル菠萝鳳梨
エアコン
(クーラー)
空调冷氣機

注目すべきは、ヨーグルトを表す単語。「普通話」では「酸奶」ですが、「台湾華語」では「優格(ヨウグァ)」と言います。

このような違いが生じる理由は、台湾には日本から伝わった単語が数多く存在するから。

台湾は昔から日本とつながりの深い国。そのため「優格(ヨウグァ)」のように、日本語の発音に無理やり漢字を当てはめた言葉が多いのです。

台湾語について

台湾では、台湾華語のほかに「台湾語」も使われます。

と言っても全員が使っているわけではなく、主にお年寄りや南部の人が話している言葉ですよ。

広東語(粤语)

広東語(粤语)は、中国の広東省や香港・マカオで話されている言語。

1,000年以上前から存在する伝統的な言葉でして、実際に香港の映画や音楽は「広東語」で作られているものが多いです。

広東語の大きな特徴は、「音の抑揚」の種類が多いこと。最大9つの声調(音の高低)を持ち、発音のわずかな違いで意味が変わってきます。
(「普通話」の声調は4つ)

また、「発音」「語彙」「文法」は標準語と大きく異なるため、普通話しか話せない中国人はほとんど聞き取れません。

例えるなら、日本語と「アイヌ語(もしくは琉球語)」くらいの差。もはや別の言語と言ってもいいくらいですね。

主要な中国語方言7つとその特徴

最後は、中国で「普通語」以外に話される言語(方言)について見ていこう!

中国には数えきれないほどの方言がありますが、大きく分けると、

  • 北方語
  • 粤語(広東語)
  • 呉語(上海語・蘇州語)
  • 贛語(南昌語)
  • 湘語(長沙語)
  • 閩語(福建省、台湾)
  • 客家語

の7つに分けられます。

方言分布図を用意したので、まずは各方言がどの地域で使われているかをチェックしてみてください。

中国語 主要な方言7つ
画像引用:wikipedia

では、1つずつ特徴を解説していきますね。

1. 北方語

北方語は、中国の北部と東北部で広く使われる方言

標準中国語(普通話)の基礎となっているため、中国全土で理解されやすく、公式な場でも頻繁に使われます。

特徴としては、声調が4つと比較的少なく、音節が簡潔でわかりやすいこと。他の方言に比べて文法や発音が規則的で学びやすいですよ。

2. 粤語

粤語(えつご)はすでにお伝えしたとおり、広東省・香港・マカオで主に話される方言

北方語と比べると、粤語の文法や語彙は独特で、地域ごとに異なるバリエーションがあります。

特に香港の文化やエンターテインメントに深く根付いているのが特徴的ですね。

3. 呉語

呉語(ごご)は、主に中国の上海や浙江省で話される方言

6つの声調があり、発音がなめらかで音節が多い点が特徴です。

中でも有名なのが「上海語」。中国の東京と言われる国際都市「上海」の影響で広く知られています。

4. 贛語

贛語(かんご)は、江西省を中心に話される方言

七大方言の中では最も話者数が少ない言葉でもあります。

特に地域色が強く、江西省内でも都市や村ごとに発音や語彙の違いが見られるのが特徴ですね。

5. 湘語

湘語(しょうご)は、湖南省で主に使われる方言

贛語と似ていますが、特有の語彙や発音があり、独自性が強いです。

毛沢東の母語としても有名な言葉です。

6. 閩語

閩語(びんご)は、福建省を中心に話される方言で、台湾でも使われます

閩語は歴史が古く、古代の中国語の特徴を多く残しているため、中国の中でも特にユニークな方言ですよ。

7. 客家語

客家語(はっかご)は、客家人によって話される方言で、広東省・福建省・江西省などに分布しています

また、海外に居住する華僑・華人の間でも使われていますよ。

まとめ

今回は、中国語の漢字の種類標準語/台湾華語/広東語の違い中国語の方言について解説してきました。

中国語は日本語と違い、地域によって特徴が大きく異なる言語です。

ぜひ、みなさんが興味のある国で話される言語・用いられる字体を学んでみてくださいね。

この記事が少しでも皆さんのお役に立てれば幸いです。

最後まで読んでくれてありがとう!

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