中国語の子音の発音方法をわかりやすく教えてほしいなぁ〜。
当記事ではこんなご要望にお応えします。
こんにちは、Pandaです。
当サイトでは、「実践で使える中国語を!」をモットーに、中国語学習に役立つ情報を発信しています。
(おかげさまで月に10,000人以上に読まれるサイトに育ちました)
今回は、中国語の子音の発音方法(コツ)をどのサイトよりもわかりやすく解説します。
舌の位置・息の出し方が一目でわかる図解も載せてますので、ぜひ参考にしてみてください。
発音を1から学びたい方へ
下記の記事では、発音学習の流れを8ステップで解説しています。
「何をどんな流れでどのように学べばいいのかわからない…」という方は、ぜひお読みください。
中国語の子音の種類
中国語の子音は全部で21個あります。
中国語の子音は正しくは「声母(initial)」と言います。
ただ、「声母」と言われてもピンとこないと思うので、ここでは「子音」という名称を使って解説してゆきますね。
中国語の子音は「音を出す場所」で6つのタイプ(上記の表の行)に分かれ、さらに「音の性質」で5つのパターン(上記の表の列)に分類されます。
日本人にとって難しいのは「唇音(f)」と「そり舌音(zh / ch / sh / r)」の5つ。
その他の子音は少し練習すれば身につけられますが、これらはそう簡単にはいきません。
「f」と「zh / ch / sh / r」は習得に時間がかかることを念頭に置いて、発音練習に取り組もう!
各子音の発音方法
それでは、子音の発音の仕方を、
の6つのタイプに分けて解説しますね。
唇音
唇音(しんおん)とは文字通り、唇を使って出す音のことです。
唇音には「b」「p」「m」「f」の4つがあります。
「b(o)」
「b(o)」は両唇を合わせた状態から、ゆっくりと口を広げながら「ブォー」と発音します。
「b(o)」の発音のコツは、なるべく息を抑えて音を出すこと。
試しに、口の前に両手でティッシュをぶら下げて、「ブォー」と発音してみてください。
このときにティッシュが揺れなかったら合格です。
もし揺れた人は、「ハァ〜」と息をすべて吐き切ってから音を出すと、うまい具合に発音できると思いますよ。
「b」のように、息を抑えて出す音のことを「無気音」と言います。
無気音の種類:「b」「j」「d」「z」「g」「zh」
無気音は、母音と子音をつなげて発音します。
「p(o)」
「p(o)」は両唇を合わせた状態から、「プッ!」と破裂音を出し、続けて「o(オー)」と発音します。
コツは、「b(o)」よりも両唇を素早く離し、勢いよく息を出すこと。
目の前のティッシュがなびくくらい息を強く吐き出してください。
「p」のように、息を強く吐き出す音のことを「有気音」と言います。
有気音の種類:「p」「q」「t」「c」「k」「ch」
有気音は、子音の音を破裂させるように出したあとに母音を続ける意識で発音します。
「m(o)」
「m(o)」は両唇を合わせた状態から、ゆっくりと口を広げながら 「ムォー」と発音します。
鼻から息を抜くようにして声を出します。
「f(o)」
「f」の音は、歯と唇の摩擦によって出る音。
「f(o)」は上の歯を下唇の内側に軽くあてた状態で「フォー」と発音します。
唇の外側に歯をあてたり、唇を強く噛むとうまく音が出ないので、注意してくださいね。
舌面音
舌面音(ぜつめんおん)とは、舌の上側の面を使って出す音のこと。
舌面音には「j」「q」「x」の3つがあります。
「j(i)」
「j(i)」は舌先を下前歯の裏に軽くあて、息を抑えて「ジー」と発音します。
日本語の「ジー」とほぼ同じなので余裕ですね。
「q(i)」
「q(i)」は舌先を下前歯の裏に軽くあて、息を強く吐き出して「チー」と発音します。
日本語の「チー」より息を勢いよく出す点がポイント。
「x(i)」
「x(i)」は舌先を下前歯の裏に軽くあて、「シー」と発音。
日本語の「シー」に近い音です。
舌尖音
舌尖音(ぜっせんおん)とは、舌先を上前歯の裏(歯と歯茎の間)にあてて出す音のこと。
舌尖音には「d」「t」「n」「l」の4つがあります。
「d(e)」
「d(e)」は舌先を上歯の裏の歯茎にあて、あまり息を出さずに「ドゥア」と発音します。
「t(e)」
「t(e)」は、舌先を上歯の裏の歯茎にあてて「トゥア」と発音。
コツは、「t」と「e」をしっかりと分けて発音すること。
まずは舌先を上の歯茎に当てた状態から、舌を素早く離して「t」の音(破裂音)を出します。
そのあと「e」を伸ばし気味に発音すれば綺麗に音が出ますよ。
「n(e)」
「n(e)」は舌先を上歯の裏の歯茎にあて、息を鼻から抜いて「ヌゥア」と発音。
鼻が詰まったような、鼻にかかったような声になります。
「l(e)」
「l(e)」は舌先を上歯の裏の歯茎にあてて「ルゥア」と発音。
ちなみに、私たち日本人が普段発音している「ラ行」は、「l」よりも舌先が少し奥側に移動した音です。
「l」と日本語の「ラ」行は舌の位置が異なるので、別物と捉えて発音してくださいね。
舌歯音
舌歯音とは、舌先と上歯を使って出す音のこと。
舌歯音には「z」「c」「s」の3つがあります。
「z(i)」
「z(i)」は舌先を上前歯の裏にあて、口を左右に大きく引いて「ヅー」と発音します。
息はなるべく抑えて発音しましょう。
「i」は通常、「イ」と読みますが、「z」「c」「s」の後ろにつく場合は「ウ」に近い音になります。
「c(i)」
「c(i)」は舌先を上前歯の裏にあて、口を左右に大きく引いて「ツー」と発音します。
「c」は有気音の1つ。勢いよく息を出す点がポイントですよ。「c」の音(破裂音)を出してから、そのあとに「i」を続けてくださいね。
「s(i)」
「s(i)」は舌先を上前歯の裏に近づけ、口を左右に大きく引いて「スー」と発音します。
「z」「c」と同じく、舌と上歯を使って音を出しますが、舌先はどこにもつけません。
感覚としては、舌と上歯でその間を通る息を擦らせるイメージ。
何度か練習すれば、感覚を掴めるはずです。
舌根音
舌根音とは、喉を使って出す音のこと。
舌根音には「g」「k」「h」の3つがあります。
「g(e)」
「g(e)」は、喉にグッと力を入れ、喉に息を引っかけるようにして「グゥア」と発音します。
このとき、舌の根元は「軟口蓋(のどちんこの少し上)」のあたりにくっつけます。
うまく発音できない方は、何かに追い込まれて苦しい状況のときに出る「うめき声(ううぅぅ)」をイメージして音を出してみてください。
格段に「g」っぽさが増しますよ。
「k(e)」
「k(e)」は、g(e)の有気音バージョン。喉に力を入れ、喉で空気を破裂させるように「クゥア」と発音します。
舌の根元を「軟口蓋」につけ、空気の通り道を一度ふさいだあと、一気に解放し、kの音(クッ)を出す感じです。
勢いよく空気を出す意識で発音しましょう。
「h(e)」
「h(e)」は舌の根元を「軟口蓋」に近づけ、その間を通る息を摩擦させて、「ハゥァー」と発音します。
まさに、ガラスを曇らせるとき、寒い日に手に吹きかける「ハァー」のイメージ。
生暖かい息をゆっくり出す感じで発音すると上手に音が出ますよ。
そり舌音
ラストは「そり舌音」。そり舌音は、舌をそりあげて出す音です。
そり舌音には「zh」「ch」「sh」「r」の4つがあります。
「zh(i)」
「zh(i)」は舌先をそりあげ、上の歯茎より少し奥にある窪みにあてて「ジー」と発音します。
「zh」を上手に発音するコツは下記の3つ。
- 舌の両側に力を入れる
- 舌先と上顎の間で音を振動させる
- 口を少し突き出して発音
(四角になるイメージ)
実際、ネイティブは口を突き出さずに発音する人が多いですが、練習ではおおげさに口を動かすように意識した方が効果的です。
慣れれば、あまり口を動かさずに発音できるようになりますよ。
「ch(i)」
「ch(i)」は舌先をそりあげ、上の歯茎の奥にある窪みにあてて「チー」と発音します。
「ch」は「zh」の有気音バージョン。舌を弾いて一気に息を出すように発音します。
みなさんが思った以上に息を強く吐き出さないと、「ch」の音は出ません。
(「zh」の音になりがちです)
「舌の両側」に力をグッと入れ、勢いよく「チー」と発音するように意識してみてくださいね。
「sh(i)」
「sh(i)」は舌先をそりあげ、上顎に近づけて「シー」と発音します。
「sh」を発音する際の注意点は下記の2つ。
- 舌の両側に力を入れる
- 息を舌の表面に当てるようにして発音する
「ch」は舌先と上顎の間を息が通りますが、「sh」は舌の両側から息が漏れて出る感じです。
「r(i)」
「r(i)」は「sh(i)」と同じ舌の位置で、声帯を震わせながら「リー」と発音します。
あえてカタカナ表記するなら「リ゙ー」のような音ですね。
「r」を発音する際の注意点は下記の3つ。
- 舌の両側に力を入れる
- 舌を振動させるように発音する
- 息は舌先と上顎の間から出す
「r」は子音の中で最も難しい音です。私は「r」の音をうまく出せるようになるまで1ヶ月以上かかりました。
慣れるまで時間はかかりますが、毎日コツコツ練習すれば必ずできるようになります。
入浴中などに繰り返し練習してみてね!
まとめ
今回は中国語の子音(全21種類)の発音方法を解説しました。
中国語の子音には、日本語にはない音がたくさんあるため、慣れるまでに相当時間がかかると思います。
焦る必要は全くないので、自分のペースで少しずつ練習を重ねていきましょう!
発音学習のロードマップを作成しました
下記の記事では、中国語の発音学習の流れを8ステップで解説しています。
「何をどんな流れでどのように学べばいいのかわからない…」という方は、ぜひお読みください。
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