中国語の発音を学びたいんだけど、何から手をつければいいかわからない。おすすめの学習手順を教えてほしい。
当記事では、こんな悩みにお答えします。
中国語に限らず、言語を学ぶにあたり、最初のステップとして待ち受ける発音。
中国語において発音は最も重要ですが、意外と軽視している人が多く、「ちゃんと勉強しておけばよかった…」と後悔する人があとを絶えません。
何を隠そう、私もその1人です。適当に学んだ結果、多くの中国人に「発音が変」と指摘され、伝えたいこともまともに通じないというなんとも歯がゆい経験をしました。
みなさんには、
私のようになってほしくない!
そう思い立ち、中国語発音学習のロードマップを作成しました。
中国人から褒められる美しい発音を手に入れたい方は、ぜひこの記事を参考にして、学習を進めてみてくださいね。
発音学習を始める前の準備【ゴールをイメージしよう】
中国語の発音を学び始める前に、発音学習のゴール(目標)を明確にイメージしましょう。
何を目指して、これから発音を学ぶのか。ここを意識できているのとできていないのとでは、今後の学習効率に大きな差が生じます。
では、発音学習のゴールとはなんなのか?
それは、下記のような「単語がいくつか集まった文」をリズムよく読めるようになることです。
你听我说。今天跟我男朋友一起去购物了,没想到他指着别的女人说”她很漂亮“。
真的不可能。气死我了。
ねえ、聞いてよ。今日彼氏と一緒にショッピングに行ったんだけど、あいつ、別の女の人指差して、「彼女綺麗だね。」って言ってきたんだよ。ほんと信じられない。超ムカつく! 日本語訳
当たり前ですが、会話ではある程度まとまりのある内容を話しますよね?
つまり、中国語を話すためには、文単位でテンポよく発音できるようになる必要があるというわけです。
その目的地に向かって、何をどの順番でどのように学んでいけばいいのかをこれから解説していくね!
中国語の発音を習得するまでの流れ 【8ステップ】
発音学習の全体像は下記のとおりです。
順番に1つずつ見ていきましょう。
Step①:発音の仕組みを把握する
このステップの目標
中国語の発音の仕組みを理解する
発音学習のファーストステップは「発音の仕組み」を知ること。
まずは、中国語の音節の構造から学んでいきましょう。
音節とは、ひとまとまりの音(発音する際の最小単位の音)のこと。
中国語では漢字1文字につき1音節が原則です。
中国語の漢字には、簡略化された「簡体字」と、日本語の漢字よりも複雑な「繁体字」の2種類があります。
「簡体字」は中国大陸で、「繁体字」は台湾や香港で用いられていますよ。
日本語と中国語の漢字の違い
日本の漢字 | 楽 | 国 | 車 |
---|---|---|---|
簡体字 | 乐 | 国 | 车 |
繁体字 | 樂 | 國 | 車 |
各音節(各漢字)の読み方は、下記のようにローマ字で表記されます。
これを「ピンイン」と呼び、ピンインは子音・母音の組み合わせからなります。
(※音節によっては、子音がない場合もあります)
+中国語には、音の高低(トーン)を表す「声調」が各音節に1つずつ存在します。
このように、1音節は大きく分けると、「ピンイン(子音と母音の組み合わせ)」+「声調」の2つの要素で構成されていますよ。
以上が中国語の発音の仕組みです。他にも細かい部分はあるのですが、とりあえず大事なポイントだけをサクッと解説しました。
中国語の漢字を正しく発音するには、子音・母音、それらの組み合わせからなるピンイン、さらには声調の4つを学ぶ必要があると覚えておきましょう。
Step②:母音と子音を学ぶ
このステップの目標
母音36個・子音21個の発音をマスターする
ここからいよいよ、具体的な学習に入っていきます。最初に学ぶのは、母音と子音。
中国語の母音は36種類、子音は21種類と、英語・日本語より多め。しかも日本語にない音がたくさんあるため、かなり手強いです。
正直、母音・子音の練習は退屈かつ大変ですが、決して手を抜いてはいけません。
これら2つは、発音の土台となる部分。母音・子音の練習をおろそかにすると、伝わらない発音が身についてしまいます。
私はいい加減に学習したせいで、中国人に何度も「発音がおかしい」と言われ、その度に落ちこみました…
あとでなるべく発音矯正しなくて済むように、はじめのうちにしっかりと母音・子音の発音の仕方を学びましょう。
教材は下記の中から好きなものを選んでみてね!
サイトで学ぶ
当サイトでは、母音・子音全57種類の発音方法を図解つきで解説しています。
ネイティブの音声も載せているので、参考にしてみてください。
母音はこちら
子音はこちら
書籍で学ぶ
肝を据えてしっかりと発音を学びたい方には、書籍「日本人のための中国語発音教本」をおすすめします。
なぜこの参考書を勧めるのかというと、下記の3点が揃っているから。
- 発音方法が論理的に解説されている
- 「口・唇の形」「舌の位置」を図解で確認できる
- メトロノームで中国語のリズム感を養える
他にも発音を学べるものは色々ありますが、発音に関してはこの1冊だけで十分です。
なお、この書籍では「母音・子音・ピンイン・声調」をすべて網羅できるので、学び終えたら、>>Step5にお進みください。
動画で学ぶ
・テキストではなく映像で学びたい。
・直感的に理解したい。
・実際に口の動きを見ながら発音練習したい。
そんな方はYoutubeでの学習がおすすめ。
数ある動画の中でも、自信を持って勧められるのは下記の動画ですね。
総再生回数50万越えの超人気動画。
現役警視庁通訳であり、これまで5000人以上の学習者に指導経験のある方が、 1時間20分にも及ぶ動画を通じて、中国語の発音の基礎を説明してくれています。
とにかく分かりやすさが神がかっているので、難しい文章を読むのが苦手な人でもスーッと理解できますよ。
こちらの動画では「母音・子音・ピンイン・声調」をすべて網羅できるので、学び終えたら、>>Step5にお進みください。
Step③:ピンインを学ぶ
このステップの目標
ピンインのルールを理解し、
ピンインを正しく発音できるようになる
続いて学ぶのは「ピンイン」です。
すでにお伝えした通り、中国語の漢字には「ピンイン(子音と母音の組み合わせ)」が1つずつ割り当てられています。
そのため、漢字を正確に読むためには、子音・母音それぞれの音だけでなく、組み合わせの音(ピンイン)も覚える必要があります。
その数全部で400種類以上。数を聞いて「そんなにあるの….さすがに多すぎだよ…」と思った方もいるかもしれません。
確かにすべての音に慣れるのは大変です。ただ、ここを乗り越えないことには、伝わる発音が手に入りません。
下記の記事をじっくり読みこんで、「ピンイン」を攻略してみてください。
Step④:声調を学ぶ
このステップの目標
声調の種類・ルールを知り、
正しい音程で発音できるようになる
発音の基礎学習ももう一踏ん張り。ここからは「声調」を学んでいきます。
声調とは音の高低(トーン)のこと。中国語には5つの声調があり、同じピンインでも声調が違えば、意味が変わってきます。
そのため、ピンインは合っていても声調が間違っていれば、自分の意図をちゃんと伝えられず、相手に「え?」と聞き返される羽目に。
5つの声調をうまく使い分けられるか否かが、発音習得の鍵を握りますよ。
日本語にない声調は日本人にとって大変な論点ですが、頑張って身につけていきましょう!
くわしくは下記の記事をチェックしてみてくださいね。
Step⑤:発音をチェックする
このステップの目標
発音を矯正してもらい、
正しい発音を身につける
ここまでの学習で、みなさんは発音の基礎を一通り学び終えました。
一旦、自分の発音におかしいところがないか、プロの中国語講師にチェックしてもらいましょう。
理想的なのは、「母音」「子音」「ピンイン」の発音に加え、声調の組み合わせ(20種類)をすべてチェックしてもらうこと。
時間に余裕がない方も、最低限「自分が苦手な音」と「声調の組み合わせ」だけは見てもらうようにしてください。
中国語は「発音が命」の言語。発音を制するものは中国語を制すると言っても過言ではないくらい、発音が大事です。
面倒くさがらずにしっかりと確認してもらいましょう。
発音矯正におすすめのサービス
プロ講師に発音指導してもらうなら、オンライン中国語スクール「CCレッスン
自宅にいながら自分の都合のいい時間帯に受講できるため、仕事・プライベートが忙しくても受けやすい。
講師数は400人以上と申し分なし。しかも、講師のほとんどは日本語が堪能なので、中国語が話せなくても安心してレッスンに臨めますよ。
運営母体が「学研」だから、レッスンの質は担保されてるよ!
少しでもおかしい部分があれば、すぐに指摘してください。厳し目にチェックをお願いします。
こんな感じで講師にお願いして、発音矯正&トレーニングしてみてくださいね。
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Step⑥:単語・文単位で発音練習
このステップの目標
単語の意味を覚えつつ、
ピンイン・声調に慣れる
さて、発音学習は後半戦に突入します。
ここからは、会話で必要な「単語」を覚えつつ、同時に単語・文単位で正確に発音できるようになるための特訓を行います。
教材は何を使っても構いませんが、個人的におすすめなのは「HSK」に準拠した教材。
HSKとは、世界で一番受けられている中国語検定のこと。
中国留学の入学条件や就職の採用基準としても使われている最も有名な中国語試験です。
中国語を学んでいるみなさんの多くは、遅かれ早かれHSKを受けることになるはず。
はじめのうちから「HSK」に出題される単語を覚えながら発音練習した方が、要領よく学習を進められますよ。
おすすめのyoutube動画と参考書を1つずつ載せておきますので、お好きな方を選んでみてください。
youtube動画
まずは初級レベル「HSK1・2・3級の単語(600単語)」の発音・意味をおさえましょう。
単語 → 例文の順にお手本の音声を聞き、実際に声に出して発音してみてください。
参考書
発音は定期的に中国語講師に確認してもらうのがおすすめだよ!
Step⑦:日常会話フレーズで発音練習
このステップの目標
会話でよく使うフレーズを
リズムよく読めるようになる
発音学習もいよいよゴールに近づいてきました。
基礎単語を学んだあとは、日常会話フレーズを使って、中国語のリズム感に慣れましょう。
ネイティブのように中国語を話せるようになるには、単語を1つずつぶつ切りに発音するのではなく、大きな意味のかたまりで区切ってリズミカルに読む必要があります。
例えば、「今天是最棒的一天(今日は最高の1日だ)」であれば、「今天是(今日は~だ)」「最棒的一天(最高の1日)」の2つに区切って発音するといった具合ですね。
滑らかな発音を手に入れるには時間を要しますが、音読・暗唱をしっかりと重ねれば、徐々にスムーズさが身につきますよ。
おすすめの教材
日常頻繁に使う中国語フレーズが300まとまった動画です。
「日本語」→「中国語(通常スピード)」→「中国語(単語ごとに区切って発音)」→ 「中国語(通常スピード)」の順に再生されるため、リズム感の練習がしやすいですよ。
この方のyoutubeでは、日常で役立つフレーズが数多く学べます。再生リストの「ひたすら聞くだけ中国語講座」の中で気になるものがあれば、ぜひ積極的に聞いてみてくださいね。
Step⑧:ひたすら実践練習
このステップの目標
中国語を話しまくって、発音に磨きをかける
ここまでくれば、みなさんの発音は相当レベルUPしているはずです。
あとは、ひたすら実践で中国語を口から出して、発音に磨きをかけていくのみ。
ここでは「スピーキング練習」に役立つサービスを2つ紹介しますね。
①Hellotalk(ハロートーク)
ハロートークは世界中の人と交流できるアプリ。
日本語を学習中の中国人と友達感覚でチャット・通話を楽しめます。
実際に私も4年以上お世話になっているアプリでして、ハロートークのおかげで発音・語彙力・スピーキング力が格段に飛躍しました。
基本的な機能はすべて無料で使えるので、ぜひ中国語学習に活用してみてください。
②CCレッスン
発音チェックのところでも紹介したオンライン中国語会話「CCレッスン
Hellotalkでも中国語をアウトプットすることはできますが、相手は一般人であり、中国語の講師ではありません。
そのため、発音・文法・語彙が不自然であっても、指摘・訂正してくれる人はそんなにいません。
間違いがあったらその都度直してほしい。より自然な言い回しを知りたい。という方はCCレッスンの方がおすすめですね。
CCレッスンは、お財布に優しい価格、かつプランも豊富なので、始めやすくて続けやすい。
中国語講師のもとで、しっかりと中国語力を伸ばしていきたい方は、CCレッスンで定期的にレッスンを受けてみてください。
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まとめ
今回は中国語の発音をマスターするまでの流れを8ステップで解説しました。
発音は一朝一夕で身につくものではありません。偉そうにこの記事を書いている私もネイティブと比べるとまだまだです。
慣れない綴りの単語が出てくると、どうしても不自然な発音(日本人っぽい発音)になっちゃいますからね。
発音は長年かけてゆっくりと上達していくものなので、焦らずに少しずつ練習していけばOKですよ。
一緒に美しい発音を目指して頑張ろう!
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