こんな悩みを解決できる記事を書きました。
中国語を勉強するにあたって、避けては通れない「声調」。
「声調」は日本語にはないため、多くの日本人が苦手とする要素でもあります。
そこで当記事では、声調の基礎知識・ルールに加え、効果的な覚え方を図解付きでわかりやすく解説しました。
声調を理解して、綺麗に発音できるようになりたい方はぜひ最後まで見ていってください。
発音を基礎から学びたい方へ
下記の記事では、発音学習の流れを8ステップで解説しています。
「何をどんな流れでどのように学べばいいのかわからない…」という方は、ぜひお読みください。
声調とは?
声調とは、意味の区別に用いる「音の高低(トーン)」のこと。
言葉だけで説明されても、猫ミームの「はぁ?」みたいになると思うので、画像を用意しました。
上記はすべて「ma」と発音される単語ですが、音程によって意味が違いますよね。
このように「声調」は単語の意味を決定づけるための重要な役割を担っているんです。
中国語の声調の表し方
声調はピンイン内の「主母音(口を1番大きく開く母音)」の上に声調記号をつけて表します。
1声の記号:「 ¯ 」 / 2声の記号:「 ´ 」
3声の記号:「 ˇ 」/ 4声の記号:「 ` 」
声調符号の付け方については下記の記事でくわしく解説してるよ!
あわせてチェックしてみてね。
中国語の声調の種類と発音方法
中国語には5種類の声調があります。
音の長さがある線のイメージの「第1声〜第4声(四声)」と音の長さがない点のイメージの「軽声」。
ここでは、各声調の音程についてくわしく解説しますね。
第一声
1声は、高い音程を保ったまま平坦に発音します。
音程を1〜5までの5段階で表すなら、ずっと5の音程をキープするイメージ。
知らなかった情報を聞いて納得、感心したときの「へぇ〜」の感じです。
第二声
2声は、徐々に音の高さを上げながら発音します。
この時の音は、中間の音程から一番高い音程(3→5)に推移します。
日本語の音に例えると、予想外のことを聞いて驚いたときの「えぇ〜!」に似てますね。
第三声
3声は、いったん音の調子を下げた後に再び音程を上げるようにして発音します。
ポイントは、元の音程よりも高い音程で発音し終えること。
(音程は「2→1→4」の順に推移)
日本語の音で言うと、ため息をつく時、がっかりした時の「あ〜ぁ」に近いです。
第四声
4声は、一番高い音程から一気に音を下げて発音します。
(音程は「5→1」に推移)
カラスが「カーッ!」と鳴くとき、元卓球日本女子の愛ちゃんが試合で点を決めた時の「サーッ!」のイメージです。
軽声
軽声は直前の声調との組み合わせによって音程が変わります。
- 「1声+軽声」or「2声+軽声」
→ 中間よりも少し高めの音程 - 「3声+軽声」or「4声+軽声」
→ 中間よりも少し低めの音程
軽く短くを意識しながら発音してみてください。
絶対に抑えておきたい声調のルール
続いて、「声調のルール」を2つ紹介します。
実は、声調は組み合わせによって「音程」が変化することがあるんです。
ここを理解しておかないと、正しく発音できないので、声調のルールをしっかりと頭に叩きこんでおきましょう。
「3声 + 3声」の変調
「3声」のうしろに「3声」が続く場合、1つ目の「3声」が「2声」に変化します。
ただし、「好好(ちゃんと〜する)」は例外。
(日常頻繁に使われる表現の1つです)
ルール通りに読むと「háo hǎo
(2声+3声)」ですよね?でも、実際のところ中国人は「hǎo hāo
(3声+1声)」と発音します。
なぜこんな不規則な読み方になるのかというと、「好好」が「好好儿」と同じように発音されているから。
中国北部では「好好儿」のように特定の単語によく「儿」をつけます。
このことを「儿化」と言います。
実は、「儿」がつくと直前の単語の声調が「1声」に変化するという決まり事があるんです。
そのため、「好好儿」の2音節目の「好」は「hāo(1声)」に変化。この時点で「好好」は「3声+3声」でなくなるため、1音節目の「好」は本来の声調「hǎo(3声)」になるというわけです。
半3声
「3声」のうしろに「3声」以外の声調が続くと、「3声」は「半3声」に変化します。
「半3声」は、音程を下げて再び上げる「3声」とは違い、音を低く抑えたまま短く発音します。
ちょうど3声の半分しか読まないため、半3声と呼ばれていますよ。
声調の組み合わせ(全20種類)
「声調の音程・ルール」がわかったところで、次に声調の組み合わせ練習をしましょう。
「第1声〜第4声(四声)」と「軽声」からなる組み合わせは全20種類。
単語をクリックして、それぞれ発音(音程)をチェックしてみてください。
第1声 | ①1声+1声 | ②1声+2声 | ③1声+3声 | ④1声+4声 | ⑤1声+軽声 |
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第2声 | ⑥2声+1声 | ⑦2声+2声 | ⑧2声+3声 | ⑨2声+4声 | ⑩2声+軽声 |
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第3声 | ⑪3声+1声 | ⑫3声+2声 | ⑬3声+3声 | ⑭3声+4声 | ⑮3声+軽声 |
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第4声 | ⑯4声+1声 | ⑰4声+2声 | ⑱4声+3声 | ⑲4声+4声 | ⑳4声+軽声 |
唱歌chàng gē | 去年qù nián | 电脑diàn nǎo | 睡觉shuì jiào | 爸爸bà ba |
私の経験から言うと、下記の2つの声調パターンは音程を間違えやすいです。
- 「⑨2声 + 4声」と「 ⑭3声 + 4声」
- 「⑦2声 + 2声」と「⑫3声 + 2声」
1音節目が「2声」もしくは「3声」の単語を発音する際は要注意。
明確に言い分けられるようになるまで、繰り返し練習してみてくださいね。
声調を正確に覚えることの重要性
ここまでの説明を読んで、
声調を覚える必要ってあるの?適当でも案外通じるんじゃない?
と思った方もいるかなと。
結論から述べると、声調は1つ1つ正確に覚える必要があります。
というのも、声調を疎かにすると、誤った意味で伝わってしまうから。
今思い返しても恥ずかしいのですが、私は昔、声調を間違ったせいで、赤っ恥をかいたことがあります。
その時口から出たフレーズが、
我很喜欢看胸毛。
wǒ hěn xǐhuan kàn xiōngmáo
(胸毛を見るのが好き。)
私が言いたかったのは、
我很喜欢看熊猫。
wǒ hěn xǐhuan kàn xióngmāo
(パンダを見るのが好き。)
胸毛(xiōngmáo)は「胸毛」。熊猫(xióngmāo)は「パンダ」。
声調が違うだけで、意味が大きく異なりますよね。
声調は「意味の区別に用いる」大事な要素。時間はかかるけど、1つずつ正確に覚えていこう!
声調(四声)を覚えるコツ
最後に声調を覚えるコツをいくつか紹介します。
1つずつ解説しますね。
ノートに声調を書き写す
王道の覚え方は、ノートに声調を書き写す方法。
ベタなやり方ですが、自分の手で書くことでより記憶が強化されます。
単語・ピンイン・声調・意味・品詞の5点セットで書いてみてくださいね。
単語→文章の順に覚える
「単語 → 文章」の順に発音練習すると、効率的に声調を覚えられます。
例えば、「电影(diànyǐng)」の発音を練習するなら、
- 「电影」の声調をノートに書き写す
- 「电影」を10回ほど発音する
- 「电影」を含む文章を10回ほど発音する
(例:我喜欢去电影院看电影)
の順に学習を進めればOK。
ステップ③では、辞書に載っている例文を使ってもいいですし、自分で文章をつくっても構いません。
個人的におすすめなのは後者。自分で作った文章なら会話でそのまま使えるので、発音トレーニングの効果を直に実感できますよ。
手や体を使って覚える
私が試した方法の中で最も効果があったのは、声調に合わせて手もしくは体を動かしながら発音するやり方。
例えば「你在做什么?」を発音する場合、
上記の声調の矢印・点を空中でなぞるようにして手or上半身を動かします。
頭で覚えるのではなく、体で覚えて、音の上がり下がりの感覚をつかみましょう。
まとめ
今回は、声調の基礎知識(声調の役割・音程・ルール)から覚え方まで一挙に解説しました。
ぜひ何度もこの記事を読み返して、中国語の声調をマスターしてみてくださいね。
最後まで読んでくれてありがとう!
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発音学習のロードマップを作成しました
下記の記事では、中国語の発音学習の流れを8ステップで解説しています。
「何をどんな流れでどのように学べばいいのかわからない…」という方は、ぜひお読みください。
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