
中国語の発音、どうしても日本人っぽくなっちゃう…もっとナチュラルに発音できるようになりたいなぁ~。
当記事ではこんな悩みにお答えします。
世界の言語の中でも、群を抜いて発音が難しいと言われている中国語。
・中国人と話すたびに「発音が変」と言われる。
・自分の中国語を正しく聞き取ってもらえない。
・何度も「え?」と聞き返される。
こんな経験がある方も多いのではないでしょうか。
実際に私も2年ほど前までは、中国語の発音に苦戦してましたが、これから紹介する7つのポイントを意識し始めてからは、ぐんと上達しました。
当記事では、発音のエッセンスをぎゅっと凝縮してお伝えしているので、中国人に褒められる発音を手に入れたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
中国語の発音を上達させる7つのコツ


中国語の発音を上達させるコツは下記の7つ。
青文字をクリックで、該当箇所に飛べるので、気になるところからチェックしてみてください。
鼻母音「n」「ng」の違いを意識する
1つ目のポイントは、鼻母音「n」「ng」の違いをしっかりとおさえること。
はじめに「n」と「ng」の音のイメージからお伝えすると、「n:軽くて明るい[ン]」「ng:重くて暗い[ン]」となります。
このイメージが頭に入っているか否かで、上達スピードがかなり変わってくるので、まずはここをおさえておきましょう。
では、どうやって区別すればいいのかというと、「音を出す位置」と「音の出し方」に着目すればOKです。
「n」は口の前側で比較的軽く音を出すのに対し、「ng」は喉のあたりで伸ばし気味に音を出します。
これをベースとして、「n」は舌先を上顎につけ、口から息を出して[ン]と発音。 「ng」は舌の根元を口の天井につけて空気の通り道をふさぎ、鼻から息を出すようにして[ン]と発音します。
舌の位置 | 息の出し方 | 口の動かし方 | |
---|---|---|---|
n | 舌先を上顎につける![]() ![]() | 口から出す![]() ![]() | 左右に広げる![]() ![]() |
ng | 舌の根元を口の天井につける![]() ![]() | 鼻から出す![]() ![]() | 上下に動かす![]() ![]() |
口の動きも意識しながら発音すると、よりナチュラルな音になりますよ。



「n」と「ng」の音は難しいけど、攻略すると一気にネイティブ発音に近づけるから、頑張って習得しよう!
「n」「ng」練習用の音声
\ その他の母音の発音方法はこちら /


無気音と有気音を区別して発音する
2つ目のポイントは「無気音」と「有気音」をしっかりと区別して発音すること。
あまり息を出さない音のこと。


「b」「j」「d」「z」「g」「zh」
無気音の種類:強く息を吐き出す音。


「p」「q」「t」「c」「k」「ch」
無気音の種類:この2つの音を明確に区別しなければいけない理由は、日本語の子音はすべて中国語の「あまり息を出さない音(無気音)」に該当するから。
日本人が何も意識せずに発音すると、すべて無気音となり、例えば「t(e)」と言ったのに「d(e)」と聞き間違えられた…みたいなことになってしまいます。
正しく意味を伝えるためにも、「有気音」をしっかりと発音できるようにしておきましょう。
有気音を上手に発音するコツは、「①子音は破裂させるように音を出す」「②子音と母音に分けて発音する」の2点。


例えば「p(o)」なら、両唇を素早く離し、破裂音「プッ!」を出してから、母音「o」を続ける感じです。
口の前にぶら下げたティッシュが大きくなびくくらい、勢いよく息を出す意識で発音してみてください。
唇音「f」と4つのそり舌音を攻略する
3つ目のポイントは、日本人が苦戦しがちな子音を攻略すること。
子音の中で特に難しいのが、唇音「f」とそり舌音「zh」「ch」「sh」「r」の5つ。
この5つの壁を乗り越えられるどうかが、発音上達の鍵を握っています。
唇音「f」のコツ
唇音「f」は、前歯と唇の摩擦で出す音。
上前歯を下唇の内側に軽く当て、その間から息を出す感じで発音します。


日本人がよくやりがちなのが、日本語の「フ」(息が擦れてない音)で発音すること。
中国語の「f」と日本語の「フ」の音は全く違うので、気をつけてくださいね。
そり舌音のコツ
「zh(i)」「ch(i)」「sh(i)」「r(i)」はすべて、上の歯茎よりも少し奥にある窪みのあたりに舌を反り上げ、舌の表面の両端に力を入れて発音します。


舌の両側に力を入れないと、日本語の「ジー」「チー」「シー」「リー」になるので、注意しましょう。
異なるポイントは、「①舌の位置」と「②空気の流れ」の2点。それぞれの違いを図解でまとめると下記の通りです。
舌の位置 | 空気の流れ | |
---|---|---|
zh(i) | 舌先を上顎につける![]() ![]() | 舌先と上顎の間を通る![]() ![]() (息を抑える) |
ch(i) | 舌先を上顎につける![]() ![]() | 舌先と上顎の間を通る![]() ![]() (強く息を吐き出す) |
sh(i) | 舌先を上顎に近づける![]() ![]() | 舌の表面→左右両側から息が抜ける![]() ![]() |
r(i) | 舌先を上顎に近づける![]() ![]() | 舌の表面→舌先の上から息が抜ける![]() ![]() |
(※再生ボタンを押すと音声が流れます)
①舌の位置
「zh(i)」と「ch(i)」は、上の歯茎よりも少し奥にある窪みに舌先をつけて、それぞれ「ジー」「チー」と発音。
感覚としては、「zh(i)」は舌先と上顎の間で音が振動し、「ch(i)」は舌を弾いて音を出す感じですね。
「sh(i)」と「r(i)」は、上の歯茎よりも少し奥にある窪みに舌先を近づけて、それぞれ「シー」「リー」と発音。
「r(i)」は舌の表面の両端を上顎に軽く押しあてるようにして発音してみてください。
②空気の流れ
「zh(i)」と「ch(i)」は、空気は舌先と上顎の間を通ります。
「zh(i)」(無気音)は息をなるべく抑え、「ch(i)」(有気音)は強く息を吐き出して音を出しましょう。
「sh(i)」は舌の表面に空気を当て、舌の両側(左右)から息を出す感じで発音。
「r(i)」は舌の表面に空気を当て、舌先と上顎の間を息が通るようにして発音します。



そり舌音は最高レベルの難しさ!何度も練習して、自分のものにしよう!
\ その他の子音の発音方法はこちら /


やりすぎなくらい大げさに発音する
4つ目のポイントは、大げさに発音すること。中国語では口の動きも声調も「やりすぎ」なくらいがちょうどいいです。
日本語は口の動きが小さく、あまり抑揚をつけない言語なので、普段日本語を話す感じで発音するとネイティブには不自然に聞こえるんですよね。
例えば、第4声の音。4声は一気に音程を下げて発音しますが(下の図で言うと5 →1に急降下する感じ)、 多くの人は5 → 3と発音しがちです。


中国語の4声は日本人が聞くと、「え…この人怒ってるのかな?」と感じる音。かなり音程を下げないとこの4声の音にはなりません。
誰かを叱るときの「こら!⤵」「おい!⤵」のイメージで、声を地面に突き刺す感じで発音して、ようやく自然な音になるんです。


中国語は口の動き・抑揚(音程の変化)が大きい言語。慣れるまではオーバー気味に発声してみてください。
ピンインより声調を重視する
5つ目のポイントは、ピンインより声調を重視すること。
伝わる中国語を手に入れるには、どちらも学習をおろそかにできませんが、より重要度が高いのは「声調」の方です。
なぜなら、声調を間違えると、完全に聞き手に別の単語として認識されてしまうから。
例えば、「熊猫(xióngmāo)」と「胸毛(xiōngmáo)」。2つともピンインは同じですが、声調は違います。
もし、「我喜欢看熊猫(wǒ xǐhuan kàn xióngmāo)」と言うところを「我喜欢看胸毛(wǒ xǐhuān kàn xiōngmáo)」と言い間違えると、 「胸毛を見るのが好きだ」の意味で伝わってしまいます。
この時、聞き手は完全に「胸毛」を思い浮かべているため、たぶん「熊猫(パンダ)」のことだろうな。とはなりません。
「え?何言ってるの?」と失笑されるのがオチです。
一方で、ピンインは多少おかしかったり、間違ったりしても意外と通じます。
明らかに存在しない音であれば、「こんな音ないぞ?たぶん〇〇って言いたいんだろうな」と意味を推測してくれますし、 別のピンインと間違っても、文脈から意図を汲み取ってくれます。
ピンインも声調も大事だけれど、声調の方が重要。このことを念頭に置いて、発音練習してみてください。
ネイティブの発音を真似する
6つ目のポイントは、中国人の俳優(女優)の発音を真似すること。
個人的に最も効果を実感できた方法で、おそらく発音が上手な人は、例外なく全員やっている手法だと思います。
実際に私は、ドラマ「我的前半生」に出てくる「贺函」役の俳優の発音を真似しまくったことで、発音がみるみる上達しました。
コツはとにかく俳優になりきり、リズムを意識しつつセリフを復唱すること。
「この人のように話せるようになりたいな」と思う人を1人見つけて、あとはひたすら真似しながら発音練習してみてください。
中国ドラマ・映画は「Netflix」や「U-NEXT」などのVODサービスのほか、 youtubeでも視聴できます。
ちなみにですが、
ドラマ・映画ではなく、中国版youtube「哔哩哔哩(bilibili)」で好きな配信者を見つけて、その人の発音を真似するのでもOKです。
お好きな方法を選んでみてください。
感情をこめて音読する
最後7つ目のポイントは、感情をこめて音読すること。
感情を入れるのと入れないのとでは、聞こえ方が大きく変わります。
例えば、
真的不可能。气死我了。
(まじでありえない。超ムカつく。)
→ 怒りをあらわにして怒った顔で
今天好倒霉啊。
(今日はとことんついていない…)
→「ハァ~」とため息をつく感じで
你为什么学日语呢?
(どうして日本語勉強してるの?)
→「知りたい!教えて!」と相手に興味がある感じで
口から中国語を出します。
実際に目の前に相手がいなくても、誰かが自分の話を聞いている状況を想像しながら声に出すのがコツ。
会話では容易に感情がこもるもの。日頃から「感情」込みで練習しておけば、よりナチュラルに発声できるようになりますよ。
発音練習に役立つおすすめツール5選


ここからは、発音トレーニングに役立つ便利なツールを5つ紹介します。
CCレッスン


CCレッスンは、日本最大級のオンライン中国語スクール。
プロ講師とのマンツーマンレッスンで、発音を丁寧に指導してもらえます。
講師は400人以上在籍。講師のほとんどは日本語が話せるため、スピーキングに自信がない人でも安心してレッスンに臨めます。
プランも豊富で、自分のライフスタイルに合わせて受講可能。「はじめやすさ」「続けやすさ」「コスパの高さ」は◎ですよ。



今なら2回分のレッスンが無料で受けられるよ!
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Hellotalk


Hellotalkは世界中の人と言語交換できるアプリ。
チャット・通話・タイムラインを通じて、日本語を学習中の中国人と交流できます。


楽しくおしゃべりするだけで、自然と発音・スピーキング力が身につくため、1人で淡々と発音練習するのはつまらない…という方におすすめ。
基本的な機能はすべて無料で使えるので、ぜひ気軽にダウンロードしてみてください。
\ レビュー記事はこちら /


Superchinese


Superchineseは、ゲーム感覚で中国語を1から学べるアプリ。
HSK1級~5級の内容に対応しているため、初級者のみならず、中級者以上の方にもおすすめの学習ツールです。
語彙・文法レッスンの多くは有料ですが、発音レッスン(20課)はすべて無料。
しかも、400種類以上の全ピンイン・4つの声調を確認できる「ピンイン表」つき。


「あれ?このピンイン発音なんだっけ?」「苦手なピンインだけ練習したいな。」
こんな時に重宝しますよ。
音読さん


音読さんは、中国語の文章を入力するだけで、好みの音声で読み上げてくれるサービス。
自分で書いた文章や、音声がついていないネット上の中国語の文の発音をチェックしたいときに役立ちます。
音声は30種類以上から選ぶことができ、音の速度・高低も細かく調整可能。 しかも、読み上げてもらったテキストを音声ファイルとしてダウンロードすることもできます。


類似サービスは他にもいろいろありますが、「発音の精度」「使い勝手」の面で音読さんを超えるものはありません。
ぜひ日々の中国語学習にお役立てください。


Chatgpt


最後に紹介するのは、対話型AIサービス「ChatGPT」。
アイデア出しや企画、文章作成など、あらゆる業務を自動化できる便利なサービスですが、 実は中国語を正しく発音できているかのチェックにも役立ちます。
発音チェック方法
アプリを起動し、右上のアイコンから、「Settings」をタップ。


「Main Language」から、「Chinese」を選択。


チャット画面に戻り、右下の赤枠で囲んでいるアイコンをタップし、発音をチェックしてほしい文を録音します。


録音を終えたら、画面上の青い部分をタップ。すると、自分が話した中国語が自動で入力されます。


正しく入力されれば問題なし。別の単語が入力されたら、発音が間違っているということになります。
もし、正確に聞き取ってくれない単語があれば、その発音を集中的に練習しましょう。
まとめ
今回は、中国語の発音をネイティブに近づける7つのコツと、発音練習に役立つツール5選を紹介しました。
中国語の発音は一筋縄ではいきませんが、毎日コツコツ練習すれば、必ず上達します。
ぜひこの記事を参考にして、理想的な美しい発音を手に入れてみてくださいね。



最後まで読んでくれてありがとう!
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