中国語の母音にはどんな種類があるんだろう?それぞれ発音の仕方を教えてほしいな。
当記事ではこんなご要望にお応えします。
こんにちは、Pandaです。
当サイトでは、「実践で使える中国語を!」をモットーに、中国語学習に役立つ情報を発信しています。
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今回は、発音の最も基礎となる土台の部分「母音」の発音方法を写真つきでわかりやすく解説します。
ぜひこの記事を参考にして、中国語の母音を攻略してみてください。
発音を基礎から学びたい方へ
下記の記事では、発音学習の流れを8ステップで解説しています。
「何をどんな流れでどのように学べばいいのかわからない…」という方は、ぜひお読みください。
中国語の母音の種類
中国語の母音は全部で36個あり、下記の5つのパターンにそれぞれ分類されます。
中国語の母音は正しくは「韵母(final)」と言いますが、ここでは皆さんになじみのある「母音」という名称を使って解説していきますね。
表を見て、「母音ってこんなにたくさんあるの?覚えるの大変そう…」と思った方もいるかなと。
確かに母音の数は日本語・英語よりも多いですが、そこまで身構える必要はありません。
「二重母音」と「三重母音」は「単母音」が複数並んだ形、「鼻母音」は「単母音 or 二重母音」に「n / ng」がくっついた形。
「単母音」「そり舌母音」「n/ngの音」さえマスターできれば、母音は攻略したも同然ですよ。
中国語の各母音の発音方法
それでは早速、各母音の発音の仕方について見ていきましょう。
単母音とそり舌母音
「a」
「a」は下顎を下げるように口を大きく開けて「ア」と発音します。
感覚としては、日本語の「ア」の2倍くらいです。
「o」
「o」は口を上下に大きく開けて「オ」と発音します。
「i」
「i」は日本語の「い」よりも口を横に引いて発音します。
「u」
「u」は日本語の「う」よりも口をすぼめて発音します。
唇の中心に力を入れ、口を丸く突き出す感じで音を出しましょう。
「e」
「e」は中国語の母音の中で、一位二位を争う難しさを誇る音。
実際、私もこの「e」の発音にかなり苦戦しました、、、
参考書とかには「エ」と「オ」の中間の音と書かれてますが、正直この説明だけでは「は?」となると思います。
そこで「e」を発音する際の大事なポイントのみをまとめました。
- 口を左右に少し引き、微笑んだときの口の形を作る
- 喉に力を入れて「ウ」と発音
はじめはこの2点だけ意識して発音練習すればOKです。
喉を締めるように音を出す(うめき声のような感じ)と上手に発音できますよ。
どうしても「e」の音をうまく出せない方は、上を向いてうがいをするときの姿勢で練習してみてください。
「ü 」
「ü」は日本語の「ユ」の口で、「イ」と発音します。
日本語の「ユ」に似た音とよく言われますが、実際は全く違う音なので、「ユ」と発音しないように気をつけましょう。
「e」「ü」は日本語にない音だから、念入りに練習してみてね!
「er」
「er」は「e」がそり舌音化したもの。舌を反り上げながら「e」と発音します。
このとき、舌先はどこにもつけずに発音し終えますよ。
二重母音
二重母音は全部で9つあります。
ai / ei / ao / ou
ia / ie / ua / uo / üe
二重母音は単母音が2つ並んだ形なので、発音自体はそれほど難しくありませんが、注意すべきポイントが2点あります。
①複数母音の「e」は「エ」と読む
先ほど「e」は、微笑んだときの口の形で「ウ」と発音するとお伝えしました。
ただ、複数母音(二重母音・三重母音)の「e」は、日本語の「エ」の口でそのまま「エ」と発音します。
②強調する単母音
母音が複数あるときは、口をより大きく開く方をはっきりと発音します。
a > o > e > i > u(ü)
「ai / ei / ao / ou」は1つ目の母音の方が口の開きが大きく、「ia / ie / ua / uo / üe」は2つ目の母音の方が大きいです。
そのため、前者は1つ目の母音をはっきりと発音し、そこから音を弱める感じ(「>」のイメージ)。後者は1つ目の母音を軽く発音し、そこから音を強める感じ(「<」のイメージ)」となります。
以上2つのポイントを踏まえて、二重母音の発音をそれぞれチェックしましょう。
前半4つは余裕ですね。後半5つは何度か練習して、発音に慣れてみてください。
三重母音
続いては三重母音です。三重母音は文字通り、単母音が3つ続いたもの。
iao / iou / uai / uei
アクセントを置く位置は二重母音と同じく、口の開きが最も大きい母音です。
「iao」は「a」、「iou」は「o」、「uai」は「a」、「uei」は「e」。
すべて真ん中の母音を強調する意識で発音しましょう。
カタカナ表記 | 発音方法 | |
---|---|---|
iao | ィアォ | 「a」をはっきりと発音。「i」「o」は軽く添える |
iou | ィオゥ | 「o」を最も強く発音。「i」「u」はちょこっと添える |
uai | ゥアィ | 「a」が主役。「u」「i」は脇役として軽く発音 |
uei | ゥエィ | 「e」にアクセントを置く。「u」「i」は「e」の引き立て役 |
鼻母音
鼻母音とは、単母音・二重母音のうしろに「n」あるいは「ng」がくっついたもの。
母音の中では最も数が多く、全部で16個もあります。
鼻母音は日本人にとって難易度Maxの音。実際に私が苦手意識を持っている発音の1つでもあります。
「n」と「ng」はかなり曲者で、相当練習しないとうまく発音できるようになりません。
ここでは「n」「ng」の2つに分けて発音のコツをお伝えしますね。
「n」型の鼻母音
まずは鼻母音「n」から。最初に8つすべての発音を聞いてみましょう。
鼻母音「ian」「üan」の2つは、「単母音[a]」の音が「エ」に変わります。
間違って「ア」と読まないように気をつけてくださいね。
「n」の発音のポイントは下記の通りです。
- 舌先を上の歯茎につけて「ン」と発音
- 口から息を出す意識で発音
- 口を左右に広げながら発音
日本語で言うと、「案内」の「ん」の音に近いですね。
「n」の発音の仕方がわかったところで、「n」型の鼻母音を1つずつ声に出して練習しましょう。
「ng」型の鼻母音
続いて、鼻母音「ng」です。鼻母音「n」との違いを意識しながら発音を聞いてみてください。
どうですか?「n」と「ng」の違いがわかりましたか?
「n」よりも少し重たく、鼻にかかったような音ですよね。
では、「ng」の発音のポイントを具体的にみていきましょう。
- 舌の根元を盛り上げ、喉の入口をふさぐ感じで「ン」と発音
(舌先はどこにもつけない) - 鼻から息を出すようにして発音
- 口を上下に動かす意識で発音
こちらは、日本語の「案外」の「ん」の音に近いです。
「n」と「ng」の違いと言い分けるコツ
ここまで「n」と「ng」の発音方法をそれぞれ解説してきました。
「n」と「ng」の違いをまとめると下記の通りとなります。
舌の位置 | 息の出し方 | 口の動かし方 | |
---|---|---|---|
n | 舌先を上の歯茎につける | 口から出す | 左右に広げる |
ng | 舌の根元を口の天井につける | 鼻から出す | 上下に動かす |
このように「n」と「ng」は「①舌の位置」「②息の出し方」「③口の動かし方」の3つが違います。
2つの発音を区別するコツは、「n」は軽く、「ng」は少し伸ばし気味に発音すること。
「ng」は喉から鼻にかけて広範囲で音が響くため、長く重たい音が響く感じがあります。
しっかり「鼻から息が出ているか」チェックして発音するようにしてみてください。
日本人は「n」よりも「ng」の方が苦手な傾向があります。
実際に私もその1人で、「ng」と言ったつもりが、誤って「n」で伝わってしまった経験が何度もあります、、
「n」と「ng」を交互に発音しよう
最後に、「n」「ng」を区別できるようになるために、両者の発音を交互に聞き、音声に続いて実際に発音しましょう。
「n」と「ng」の交互練習
頭で覚えようとせず、何度も練習して体で覚えてみてね!
まとめ
今回は、中国語の母音(36種類)の発音の仕方を一挙に解説しました。
日本人にとって特に難しいのは、単母音「e」「ü」と鼻母音「n」「ng」の音です。
これらの発音は一筋縄ではいかないので、じっくりと時間をかけて何度も練習してみてくださいね。
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下記の記事では、中国語の発音学習の流れを8ステップで解説しています。
「何をどんな流れでどのように学べばいいのかわからない…」という方は、ぜひお読みください。
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