中国語で「〜をさせる」ってどう言うんだろう?使役文の作り方を教えてほしいな〜。
今回はこんな悩みにお答えするよ!
- 中国語の使役表現5つの意味・使い方
- 使役表現の否定文の作り方
今回の記事では、中国語の使役表現(5つ)の意味と使い方をわかりやすくまとめました。
会話で「〜させる(〜してもらう)」と言えるようになりたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
中国語の使役文5パターンの意味と使い方
使役文とは、人に何かを働きかける文です。
語順と意味は以下の通り。
語順:A(動作主) + 使役動詞 + B(動作の受け手) + 動詞
意味:AはBに〜させる
(〜してもらう/頼む/すすめる)
使役を表す代表的な動詞は「让」「叫」「请」「令」「使」の5つです。
1つずつ意味と使い方を見ていきましょう。
①A + 让 + B + 動詞 〜
「让」はもともと「ゆずる」「タバコや飲食物をすすめる」という意味の動詞。
ゆずる
例1)他年纪小,你应该让他。
tā niánjì xiǎo, nǐ yīnggāi ràng tā.
(彼は年が小さいので、君は彼にゆずってやるべきだ)
すすめる
例2)他让我一杯酒。
tā ràng wǒ yìbēi jiǔ.
(彼は私にお酒を1杯すすめた)
使役表現では「指図したり頼んだりして〜させる」「なすがままに〜させてあげる」の意味で使われることが多いです。
なお、文中に出てくる2人の関係は対等で、上下関係はあまり感じられません。
(※例外もあります)
例3)妈妈让我去机场接爸爸。
māmā ràng wǒ qù jīchǎng jiē bàba.
(母は私に空港に父を迎えに行かせた)
→ 「父の迎えよろしく。」と頼んでいる
例4)让他玩游戏,别管他。
ràng tā wán yóuxì, biéguǎn tā.
(彼にゲームさせてあげなさい。構わないで。)
→ 「望み通りにゲームをさせてあげなさい」と言っている
例5)我让不认识的人给我拍了照片。
wǒ ràng bú rènshi de rén gěi wǒ pāile zhàopiàn.
(見知らぬ人に写真を撮ってもらった)
→ 「写真を撮ってくれないか」と頼んでいる
また「让」には、「让我〜(私に〜させて)」の使い方もあります。
例6)让我看一下。(让我看看)
Ràng wǒ kàn yíxià. (ràng wǒ kàn kàn)
(ちょっと見せて)
この文はよく使うから覚えておこう!
②A + 叫 + B + 動詞 〜
「叫」はもともと「呼ぶ」という意味の動詞です。
例7)我听到了有人叫我。
wǒ tīng dàole yǒurén jiào wǒ.
(誰かが私を呼ぶのを聞いた)
そこから使役表現(発言をきっかけに〜させる)の使い方が生まれました。
「〜するように命じる」のニュアンスを含み、上下関係がはっきりしている場面でよく使います。
例8)老板叫我去出差的。
lǎobǎn jiào wǒ qù chūchāi de.
(社長が私を出張に行かせました。)
→ 社長が「出張に行って来なさい」と命令。
例9)老师叫学生写报告。
lǎoshī jiào xuéshēng xiě bàogào.
(先生が学生にレポートを書かせる)
→ 先生が「レポートを書きなさい」と命令。
例10)妈妈叫我吃饭。
māmā jiào wǒ chīfàn.
(母親はご飯を食べるように言った)
→ 母親が「ご飯を食べなさい」と命令。
③A + 请 + B + 動詞 〜
「请」はもともと「申し込む/願い出る」という意味の動詞です。
そこから使役表現「〜してもらう(していただく)」の意味が生じました。
「请」は丁寧な表現なので、ビジネスシーンや公の場でよく使われますよ。
例11)我请你吃一顿饭。
wǒ qǐng nǐ chī yí dùn fàn.
(ご飯を奢らせてください)
→「私にご飯を奢らせてほしい」と願い出る。
例12)我们请他做演讲。
wǒmen qǐng tā zuò yǎnjiǎng.
(彼に講演していただきます)
→「講演していただけないでしょうか?」と願い出る
また、「请」が文頭に来る場合は、「どうぞ〜してください」の意味になります。
例13)请进。
qǐng jìn.
(どうぞ入ってください)
例14)请稍等一下。
qǐng shāo děng yíxià.
(少しお待ちください)
例15)请大家一起吃。
qǐng dàjiā yì qǐ chī.
(みんなで食べてください)
④A + 令 + B + 動詞 〜
「令」はもともと「命令する」という意味の動詞です。
ただ、使役表現として使われるときは「命令のニュアンス」は含みません。
使役動詞「令」は「人の心に何らかの影響を与える」イメージ。
そのため、下記の2つの条件を満たす場合によく用いますよ。
- 「令」のあとに不特定多数を示す「人」が続く
- 「人」のあとに動きの少ない動詞が続く
例文を見てみましょう。
例16)这个文章令人感动。
zhège wénzhāng lìng rén gǎndòng.
(この文章は人々を感動させる。)
→ 文章が人の心を動かし、感動させる
例17)这张照片令人怀念啊。
zhè zhāng zhàopiàn lìng rén huáiniàn a.
(この写真懐かしいですね。)
→ 写真が人の記憶を思い出させる
なお「令」は、これまで紹介した3つの使役動詞とは違い、書き言葉でのみ使います。
言語交換アプリや中国のSNSでよく目にする表現だね。
⑤A + 使 + B + 動詞 〜
「使」は「令」と同じく、書き言葉で使います。
意味・使い方も「令」とほぼ一緒なので、「令」とあわせて覚えておきましょう。
例18)这使我心里很难过。
zhè shǐ wǒ xīnlǐ hěn nánguò.
(このことは私につらい思いをさせた)
例19)虚心使人进步,骄傲使人落后。
xūxīn shǐ rén jìnbù, jiāo’ào shǐ rén luòhòu.
(謙虚は人を進歩させ、慢心は人を堕落させる)
使役表現の否定文の作り方
ここからは「使役表現の否定文」の作り方を解説しますね。
といっても作り方は超簡単で、使役動詞の前に「不」or「没」をおけば完成です。
「不」と「没」の違いは下記の通り。
- 「不」:意志のニュアンスを含む文を否定
(現在・未来の動作を否定することが多い) - 「没」:単に事実を述べる文を否定
(過去の動作を否定することが多い)
基本的には「意志のニュアンスを含むか?含まないか?」で使い分ければOKです。
では、例文をいくつか見てみましょう。
(ここでは使役動詞「让」の否定文を紹介します)
「不」を用いた否定文
例20)爸爸不让我去中国留学。
bàba bú ràng wǒ qù zhōngguó liúxué.
(父は私を中国へ留学に行かせてくれない)
例21)今晚不让你睡觉哦。
jīn wǎn bú ràng nǐ shuìjiào ó.
(今晩は寝かせないよ)
「让」の否定文では、しばしば「想」「要」などの助動詞をともないます。
例22)不想让你伤心。
bùxiǎng ràng nǐ shāngxīn.
(あなたを傷つけたくない)
例23)不要让我生气。
búyào ràng wǒ shēngqì.
(私を怒らせないで)
「没」を用いた否定文
「〜させてくれなかった」と単なる事実を伝えたい時は「没让〜」を使います。
例24)爸爸没让我去中国留学。
bàba méi ràng wǒ qù zhōngguó liúxué.
(父は私を中国へ留学に行かせてくれなかった)
「叫」「请」「令」「使」の否定文
「让」以外の使役表現の否定文はあまり使わないため、この記事では割愛します。
まとめ
今回は中国語の使役文5パターンと、使役表現の否定文の作り方をそれぞれ解説しました。
最後に学んだ内容をおさらいしましょう。
使役表現の語順と意味
語順:A(動作主) + 使役動詞 + B(動作の受け手) + 動詞
意味:AはBに〜させる
(〜してもらう/頼む/すすめる)
5つの使役動詞のイメージ
使役動詞 | 意味・イメージ | 言葉の種類 |
---|---|---|
让 | 頼んだり指示したりして〜させる なすがままに〜させてあげる (2人の関係は対等な場合が多い) | 話し言葉 / 書き言葉 |
叫 | 〜するように命ずる (上下関係がはっきりしている場合が多い) | 話し言葉 / 書き言葉 |
请 | 〜を願い申し出る(〜していただく) (ビジネスシーンや公の場でよく使う) | 話し言葉 / 書き言葉 |
令 | 不特定多数の人を〜させる (人の心に何らかの影響を与える) | 書き言葉 |
使 | 「令」とほぼ同じ | 書き言葉 |
使役表現の否定文
- 意志のニュアンスを含む
→「不」を使役動詞の前におく - 意志のニュアンスを含まない
→「没」を使役動詞の前におく
今回は以上です。
最後まで読んでくれてありがとう!
受身文(〜される/〜された)の作り方は下記の記事で解説しています。
よければあわせてご覧ください。
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