中国語で「〜される」ってどう言うんだろう?受け身文の作り方をわかりやすく教えてほしいな〜。
今回はこんな悩みにお答えするよ!
- 受身文の作り方
(+否定・疑問の表し方) - 「被」があまり使われない理由
- 「被」を使うシーン
今回の記事では、中国語の受身文(肯定・否定・疑問)の作り方をわかりやすくまとめました。
中国語で「誰かに〜された」と言えるようになりたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
中国語の受身文(〜される)の作り方
受身文とは、動作の受け手に焦点を当てつつ、誰かにある行為をされたことを表す文です。
受身文の語順は下記の通り。
語順:A(動作の受け手) + 被 + B(動作主) + 動詞 〜
意味:AがBに〜される
このように「動作の受け手」と「動作主」の間に「被」をおくことで、受身の意味を表せます。
例文をいくつか紹介しますね。
例1)我被女朋友甩了。
wǒ bèi nǚ péngyǒu shuǎile.
(彼女に振られた)
例2)我的钱包被(小偷)偷了。
wǒ de qiánbāo bèi tōule.
(財布が盗まれた)
例3)(我的雨伞)被弟弟拿走了。
bèi dìdì ná zǒule.
(弟に(傘を)持って行かれた)
なお、「動作主」「動作の受け手」を言わなくても、聞き手が「誰・何のことを言っているのか」理解できる場合は、それぞれ省略可能です。
例2:「泥棒(スリ)」に盗まれたことが明確
→「動作主(小偷)」が省略されている
例3:家で母と長男が話しているシチュエーション
持っていかれたのは「長男の傘」であることが明確
→「動作の受け手(我的雨伞)」が省略されている
受身表現の否定文
受身の否定文にはよく「没」を使います。
文型:A + 没(有) + 被 + B + 動詞
意味:AはBに〜されていない
なんで「不」じゃなくて「没」を使うの?
ここで思い出してほしいのが「不」は意志のニュアンスがある文を否定し、「没」は単に事実を述べる文を否定する言葉であること。
「〜された」と話すとき、そこに「動作の受け手」の意志は含まれてませんよね。
単にすでに起きた事実を述べているにすぎません。
なので、否定文には「没」を使います。
例4)我没有被老师表扬过。
wǒ méiyǒu bèi lǎoshī biǎoyángguò.
(先生に褒められたことがない)
例5)这份数据还没被保存。
zhè fèn shùjù hái méi bèi bǎocún.
(このデータはまだ保存されていない)
例6)放心吧。我们刚才说的话没被人听见。
fàngxīn ba. wǒmen gāngcái shuō dehuà méi bèi rén tīngjiàn.
(安心して。私たちがさっき言ったことは誰にも聞かれてないから。)
受身表現の疑問文
続いて、受身表現の疑問文の作り方を紹介します。
受身の疑問文は大きく分けて3パターンあります。
- 「吗」疑問文
- 「吧」疑問文
- 疑問詞疑問文
1つずつ見ていきましょう。
「吗」疑問文
文末に疑問を表す語気助詞「吗」をつけると、シンプルな疑問文になります。
例7)你被解雇了吗?
nǐ bèi jiěgùle ma?
(解雇されたの?)
例8)我被她讨厌了吗?
wǒ bèi tā tǎoyànle ma?
(私って彼女に嫌われてるのかな?)
「吧」疑問文
「吧」は推量「〜でしょう」を表す語気助詞。
疑問文に用いると、「〜だよね?〜でしょ?」と自分の予想・想像が正しいか相手に尋ねることができます。
例9)你不想被骗吧?
nǐ bùxiǎng bèi piàn ba?
(騙されたくないよね?)
例10)你一定被后悔了吧?
nǐ yídìng bèi hòuhuǐle ba?
(絶対に後悔したでしょ?)
疑問詞疑問文
相手に細かい情報を尋ねる際は「疑問詞」を使います。
例11)你什么时候被她告白了?
nǐ shénme shíhòu bèi tā gàobáile?
(いつ彼女に告白されたの?)
例12)你被谁训斥了?
nǐ bèi shéi xùnchìle?
(誰に叱られたの?
中国語で受身文はあまり使われない理由
ここまで「被」を使った受身文を紹介してきました。
ただ、実は日常会話で「受身文」はあまり使いません。
理由は下記の2つ。
- 必ずしも「〜される」=「受身文」ではないから
- 受身文を使うとまわりくどい表現になるから
1つずつ深掘りしますね。
①必ずしも「〜される」=「受身文」ではないから
私たち日本人は「〜される」=「受身文」と考えがちですが、必ずしもそうではありません。
下記の例文をご覧ください。
例13)我去了之前电视上介绍的店哟。
wǒ qù le zhīqián diànshì shàng jièshào de diàn yō.
(前にテレビで紹介されていたお店に行ってきたよ)
例14)受气氛影响,没能发挥实力。
shòu qìfēn yǐngxiǎng, méi néng fāhuī shílì.
(雰囲気に飲みこまれて、実力を発揮できなかった)
どちらも日本語では「〜される」と訳される文ですが、見ての通り「被」は一切使われていません。
これら2つの例文を見ただけでも、「受身文」を使う機会が日本語より少ないことは一目瞭然ですよね。
②受身文を使うとまわりくどい表現になるから
中国語では、わざわざ「受身文」で言う必要がないことは「通常の文」で表します。
例15)昨天我被她这么说。
(昨日彼女にそう言われた)
日本語の感覚からすると、何の問題もなさそうですよね。
ですが、中国人はこのような言い方はしません。正しい表現は下記の通りです。
例16)昨天她跟我这么说。
zuótiān tā gēn wǒ zhème shuō.
(昨日彼女はそう言った)
このように、中国人は「被」を含まない表現をより好みます。
おそらくですが、「被」を使うと文章が複雑になって、まわりくどい表現になるからでしょう。
日本人は「〜される(〜された)」に引っ張られて、あらゆる場面で「被」をつける傾向があります。
「被」の多用を防ぐコツは、シンプルな文作りを意識すること。
話すたびに、ほんとに「被」を使う必要あるのかな?通常の文で言えないかな?と自問自答するようにしてみてね!
受身文を使うシーン
では「受身文」はどんな時に使えばいいのか?
結論から言うと、誰かにある行為をされて、負の感情を抱いた場合に「受身文」を用います。
例えば、
例17)我被蚊子咬了。
wǒ bèi wénzi yǎole.
(蚊に刺された。マジ腹たつ!)
例18)我被他骗了。
wǒ bèi tā piànle.
(彼に騙された。ショック…)
例19)我被上司骂了。
wǒ bèi shàngsi màle.
(上司に怒られた。しょんぼり…)
こんな感じですね。
「被」には「腹立つ」「憎い」「悲しい」などのネガティブなニュアンスが含まれています。
そのため、マイナスな感情を相手に伝えたいときに「受身文」を使うと、ネイティブらしい表現になりますよ。
「被」が不要なケースと必要なケース
ここからは、「被」が不要なケースと必要なケースについて解説します。
「被」が不要なケース
「被」がなくても「動作の受け手」と「動作主」を明確に区別できる場合は「被」はいりません。
例えば下記。
例20)我(被)蚊子咬了。
(蚊に噛まれた)
どう考えても「蚊」が「人間」を噛むわけがないので、この文の動作の受け手は「我🧑」、動作主は「蚊子🦟」だとわかります。
このように「動作の受け手」と「動作主」がはっきりしている時は「被」を省略できますよ。
「被」が必要なケース
一方で「動作の受け手」と「動作主」を見分けられない場合は「被」が必要です。
1番わかりやすい例は下記の文。
例21)我女朋友甩了。
この文を日本語訳に直してみてください。
おそらく「私は彼女に振られた」と訳したはず。
ただ、実は例21は、
例21-1)我(把)女朋友甩了。
(私が彼女を振った)
例21-2)我(被)女朋友甩了。
(私は彼女に振られた)
の2通りの解釈ができ、状況によっては「私が彼女を振った」の意味で捉えられる可能性があります。
このように、
- 動作の受け手・動作主ともに人間
- どちらとも動作の受け手・動作主になりうる
場合は、「被」をつけて両者をしっかりと区別しなければなりません。
相手に誤解を与えかねない文では、「被」をつけるように意識してみてね。
補足
会話中に相手から「元気ないね。どうしたの?」と聞かれ、「実は、彼女に振られたんだ。」と答える際は、「被」をつけずに、
我女朋友甩了。
と言っても意味はちゃんと通じます。
というのも、自分から彼女を振っておいて「しょんぼりしている」とは考えづらいから。
会話の流れ(文脈)から「あ、彼女に振られたんだな」と、相手は理解してくれますよ。
まとめ
今回は中国語の受身文の作り方と、「被」があまり使われない理由・「被」をつけるシーンを解説しました。
最後に学んだ内容をおさらいしましょう。
受身文の語順と意味
語順:A(動作の受け手) + 被 + B(動作主) + 動詞
意味:AはBに〜される
「被」があまり使われない理由
①必ずしも「〜される」=「受身文」ではないから
②受身文を使うとまわりくどい表現になるから
受身文を使うシーン
誰かにある行為をされて、ネガティブな感情を抱いたとき
「被」が不要なケースと必要なケース
「動作の受け手」と「動作主」を見分けられる
→ 不要
「動作の受け手」と「動作主」を見分けられない
→ 必要
今回は以上です!
最後まで読んでくれてありがとう!
使役文(〜させる)の作り方は下記の記事で解説しています。
よければあわせてご覧ください。
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