中国語の量詞にはどんな種類があるのかな?よく使われる量詞を教えてほしいなぁ〜。
今回はこんな悩みにお答えするよ!
- 量詞の役割と位置
- 名量詞の種類とイメージ
- 動量詞の種類とイメージ
「量詞」ってそもそも何?という方もいれば、ある程度知ってるけどうまく使いこなせない…とお悩みの方もいると思います。
そこで当記事では、実生活でよく使われる中国語量詞の意味と使い方をわかりやすくまとめました。
「量詞」をマスターして、少しでも自然な中国語に近づきたい方はぜひ最後までお読みください。
【前提】量詞の役割と語順
量詞とは、名詞や動作の回数を数える言葉のことです。
量詞には、
- 名量詞:人・もの・抽象的なことを数える言葉
- 動量詞:動作の回数を数える言葉
の2種類があります。
日本語で言うと、「〜個」「〜冊」「〜匹」「〜頭」「〜回」などが量詞にあたりますね。
「量詞」は日本人にとって馴染みのあるものなので、概念自体はそれほど難しくありません。
ただ、中国語の量詞は日本語に比べて種類が多いです。なので、「名詞」と「量詞」の組み合わせを覚えるのは結構大変ですね。
量詞を間違っても意味は伝わるのか?
結論から言うと、量詞を間違っても意味は伝わります。
ただ、量詞を間違った場合、ネイティブに「ちょっと違和感があるな…」と思われてしまいがちです。
日本語で考えてみましょう。
例えばあなたがコンビニの店員だったとして、お客さんに「お箸1つ」くださいと言われたらどう感じますか?
意味は問題なく理解できるはずですが、なんとなく幼稚な感じがすると思います。
(お箸1膳の方がより自然。)
まさにそんな感覚です。
逆にいうと、量詞を正しく使えれば、ネイティブっぽさが一段と増すってことだね!
量詞はどこに置けばいい?
量詞をおく位置は下記の通り。
「名量詞」は「目的語(名詞)」の前におき、「動量詞」は「動詞」のあとにおきます。
どちらも場所は同じですよ。
場所が固定されているから覚えやすいね!
名量詞の種類と使い方
それでは中国語にどんな量詞があるのか見ていきましょう。
まずは「名量詞」から。
語順:主語 + 動詞 + 数字 + 名量詞 + 目的語 + 〜
(名量詞は目的語(対象)の前におく)
名量詞は山ほどあるので、代表的なものに絞って、それぞれのイメージと数える名詞を紹介しますね。
代表的な名量詞のイメージと数える名詞
よく使う名量詞19個を一覧表にまとめました。
名量詞 | 役割・イメージ | 数える名詞 |
---|---|---|
个(gè) | 人やもの・抽象的なことなど 幅広く使える | 「人」男生(男性) / 女生(女性) 「もの」行李(荷物) / 苹果(りんご) 「こと」问题(問題) / 事情(件) 「時間」小时(時間) / 月 / 星期(週) |
本(běn) | 書物・雑誌・帳簿を数える | 书(本) / 杂志(雑誌) |
只(zhī) | ①対になるものの1つを数える ②丸っこいイメージのものを数える | ①耳机(イヤホン) / 鞋(靴) ②猫 / 麻雀(すずめ) |
条(tiáo) | ①細長いイメージのものを数える ②細長い動物を数える ③下半身に身につける衣服を数える | ①路(道) / 河流(川) ②狗(犬) / 鱼 / 蛇 ③裤子(ズボン) / 裙子(スカート) |
头(tóu) | 家畜を数える | 马(馬) / 羊 / 驴子(ラクダ) |
件(jiàn) | ①上着類を数える ②事件・事柄を数える | ①衬衫(Tシャツ) / 外套(コート) ②事情 |
台(tái) | 機械類を数える | 电脑(パソコン) / 电视(テレビ) |
辆(liàng) | 車輪のある乗り物を数える | 自行车(自転車) / 出租车(タクシー) ※「飛行機」は「架」を使って数えます |
部(bù) | ドラマや映画を数える | 电视剧(ドラマ) / 电影(映画) |
杯(bēi) | お酒やお茶の分量を数える | 茶 / 啤酒(ビール) |
支(zhī) | 棒状のものを数える | 圆珠笔(ボールペン) / 烟(タバコ) |
首(shǒu) | 詩や歌を数える | 歌 / 诗 |
块(kuài) | ①かたまり状のものを数える ②通貨単位 | ①肉 / 肥皂(石けん) ②三块钱(3元) |
张(zhāng) | ①「枚」で数えられるもの ②平らなイメージをもつ家具・楽器を数える | ①车票(きっぷ) / 画(絵) ②床(ベッド) / 古琴 |
双(shuāng) | 2つで一組になっているものを数える | 眼睛(目) / 手 / 筷子(箸) |
套(tào) | セットで使うものを数える | 家具 / 西装(スーツ) |
碗(wǎn) | 茶碗の数を数える | 米饭(ごはん) / 汤(スープ) |
瓶(píng) | ビンに入っている飲み物を数える | 啤酒(ビール) / 葡萄酒(ワイン) |
把(bǎ) | 手で掴めるものを数える | 菜刀(包丁) / 伞(傘) |
一気に覚えるのは大変なので、まずは会話で使いそうなものから1つずつ覚えてみてください。
自分で例文を作ってみてね!
名量詞を使う際の注意点と補足
名量詞を使う際の注意点・補足は下記の3つ。
- 量詞は数字とセットで使う
- 量詞がつかないケースがある
- いくつかの〜を表す言葉
1つずつ解説しますね。
量詞は数字とセットで使う
ここまで名量詞をざーっと紹介してきましたが、実際の文では「数字 + 量詞 + 名詞」の形で用いることが多いです。
いくつか例文を紹介します。
例1)我有一个哥哥和两个妹妹。
wǒ yǒu yígè gēgē hé liǎng gè mèimei.
(兄が1人、妹が2人います)
例2)我把一只耳机丢掉了。
wǒ bǎ yī zhǐ ěrjī diūdiàole.
(イヤホンの片側をなくしてしまった)
例3)我今天喝了三杯啤酒。
wǒ jīntiān hēle sān bēi píjiǔ.
(今日はビールを3杯飲んだ)
お気づきの方もいるかもですが、例2では「動詞」が「目的語」のうしろに来ています。
「把」構文だね!
「把」構文って何?と思った方は、下記の記事もあわせてご覧ください。
量詞がつかないケースがある
日本語と同じく、概念としての人・もの・抽象的なことを表す場合は、量詞はつきません。
例)
我喜欢猫。(私は猫が好き)
我养一只猫。(私は一匹の猫を飼っている)
上の文は、あくまで猫という生き物のことを指していますよね。そのため量詞はついてません。
対して下の文では、「飼っている猫 = どんな猫かイメージが湧く」ので量詞がついています。
いくつかの〜を表す言葉
「一些 + (名詞)」で不定の数量を表せます。
具体的な数ではなく「いくつかの〜」と言いたいときに使ってみてください。
例4)发生了一些问题。
fāshēngle yīxiē wèntí.
(いくつかの問題が起きた)
例5)我给了他一些西瓜。
wǒ gěile tā yīxiē xīguā.
(彼にいくつかのスイカをあげた)
動量詞の種類と使い方
続いて、動量詞の種類と使い方を紹介しますね。
語順:主語 + 動詞 + 数字 + 動量詞 + 目的語 + 〜
(動量詞は「動詞(動作)」のあとにおく)
名量詞と同じく、動量詞も「数字」とセットで使います。
覚えておきたい動量詞は下記の4つ。
- 次(cì)
- 趟(tàng)
- 遍(bìan)
- 下(xìa)
すべて「〜回」という意味ですが、ニュアンスが異なります。
下記にて各動量詞がもつイメージを見ていきましょう。
①〜次
「次」は1番使い勝手のいい動量詞で、あらゆる場面で使えます。
例6)我去过一次东京晴空塔。
wǒ qùguò yícì dōngjīng qíngkōng tǎ.
(東京スカイツリーに1回行ったことがある)
例7)这个药要一天喝三次。
zhège yào yào yītiān hē sāncì.
(この薬は1日に3回飲まなくてはならない)
「次」を目的語の後に置くパターン
目的語が場所を示す場合は、「次」を目的語の後ろにおくこともできます。
例8)我去过那家咖啡店好几次。
wǒ qùguò nà jiā kāfēi diàn hǎojǐ cì.
(そのカフェに何度か行ったことがある)
「(好)几次」で「何度も(何回か)」という意味を表せるよ!
②〜趟
「趟」は往復の回数(行ったり来たりする回数)を数える動量詞です。
どこかに行った回数や、列車の発着を数える際によく使います。
例9)我去过一趟澳大利亚。
wǒ qùguò yí tàng àodàlìyǎ.
(オーストラリアに一度行ったことがある)
例10)往返一趟,要半个小时。
wǎngfǎn yí tàng, yào bàn gè xiǎoshí.
(往復するのに30分かかる)
「次」と同じく、「目的語=場所」の場合は、目的語の後に「趟」を置くこともできますよ。
③〜遍
「遍」は動作の始めから終わりまでを1回として数える動量詞です。
例11)那部电视剧我看完了一遍。
nà bù diànshìjù wǒ kàn wánliǎo yíbiàn.
(このドラマを一通り見終わりました)
例12)请再说一遍。
qǐng zàishuō yíbiàn.
(もう一度言ってください)
例13)粗略地看了一遍。
cūlüè de kànle yíbiàn.
(一通りざっと目を通した)
「请再说一遍。」は相手の言ったことが聞き取れなかった時に使える便利な表現だよ!
④〜下
「下」は一瞬の動作の回数を数える動量詞です。
例14)撞了三下钟。
zhuàngle sān xià zhōng.
(時計を3回鳴らした)
例15)有人敲我家门敲了好多次。
yǒurén qiāo wǒjiā mén qiāole hǎoduō cì.
(誰かが家のドアを何度も叩いた。)
「(好)多次」も「何度も(何回か)」という意味だよ!
短い時間を表す「一下」
「一下」で、比較的短い時間(「ちょっと〜する」)を表せます。
例16)稍等一下。
shāo děng yíxià.
(ちょっと待ってね)
例17)我出去一下。
wǒ chūqù yíxià.
(ちょっと出かけてくる)
まとめ
今回は中国語の量詞(名量詞・動量詞)の種類と使い方を解説しました。
当記事で紹介した「量詞」さえ覚えておけば、日常会話で困ることはないでしょう。
他の量詞については、出くわした時にその都度覚えればOKです。
ぜひご自身で例文を作って、量詞の使い方に慣れてみてくださいね。
最後まで読んでくれてありがとう!
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